西南学院大学に2017年4月、新しい図書館が開館します。先日、その新図書館の入口2カ所にステンドグラス(横3.53m 縦0.58m)が設置されました。西南学院創立100周年の記念事業として西南学院大学女子同窓会(西南ゆりの会)から学院に寄贈したものです。いずれもユリの花をデザインしたもので、赤いレンガの壁にマッチして、清楚ながら華やいだ雰囲気を醸し出しています。
新図書館建設の情報を私たちが知ったのは2014年春。学院創立100周年の2016年は西南ゆりの会の発足30周年にも当たります。「長く残るものを」という思いからステンドグラスを贈ることを決め、当時、大学図書館長だった後藤新治・国際文化学部教授にお話をしたところ、喜んでお受けいただけるということでした。
西 南ゆりの会の理事有志でいくつかのステンドグラス工房を見学した結果、糸島市に工房を構えるジャックスステンドグラスにお願いすることにしました。福岡市 総合図書館や長崎市立図書館などを手掛け、実績のある工房です。設計の都合などで二転三転したのがステンドグラスの設置場所とサイズでしたが、結果的に入 口の大変目立つ場所に設置できることになりました。デザインはユリの花をモチーフにすることは決まっていましたが、最終的なデザインにたどり着くまでに試 行錯誤を繰り返しました。大きすぎて想像がつかないため、原寸大の布を買ってきて、ユリの花をいろんな方向に貼り付けて、私たちなりにイメージを膨らませ ました。ジャックスさんは材料のガラスにもこだわりがあり、今回は米国・ウロボロス社(URUBOROS)製のハンドロール(ハンドメイド)グラスを使用されたそうです。ハンドメイドならではの均一ではないガラス厚、色むらによる自然なグラデイションと色彩の美しいガラスです。
新図書館の1階フロアには、キリストに鍵を渡しているシーンを描いた19世紀イギリスのステンドグラスも設置されます。これは以前、ある方が学院に寄贈されたものだそうです。そこで一体性を持たせるため、私たちのステンドグラスの中にも1カ所、同じような鍵をしのばせました。新図書館を訪れた際にはぜひ、この鍵を探してみてください。
ス テンドグラスは通常室内から見るものですが、これは外からもデザインがきれいにはっきりと見えます。光の入り具合でも違った表情を私たちに見せてくれるこ とでしょう。新図書館1階に開設予定のカフェは地域の方々も利用できるそうです。「ステンドグラスのある図書館」として地域の新たなランドマークになれば と願っています。そして、学院の永遠の発展と学生たちの成長をこのステンドグラスが見守ってくれることと思います。